大人の女がこっそり愉しむ秘密の手帖

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暮らす

週末の朝ごはんという家族の新しいコミュニケーションのかたち

最上川えつこ / 2026/9/16

子どもが成人し、家族で過ごす時間がほとんどなくなったいま、週末のモーニングがコミュニケーションの時間に変わった。

子どもが社会人になると、まだ同じ屋根の下で暮らしていても、顔を合わせる時間はぐっと減る。それぞれの予定で忙しく、家族揃っての食事など、もはや皆無だ。 実は、私自身は、家族の予定に縛られない自由な時間が増えたことのほうが、正直うれしい。とはいえ、我が家の雰囲気は、いつの間にか「家族」というより「同居人」同士の集まりという色合いが強くなっている。それも、時の流れというものだろう。

朝にパンケーキなんて家では皆無(笑)

そんな我が家に、最近ひとつの習慣が生まれた。 週末の朝ごはんはモーニングを食べに行く、というものだ。 きっかけは、近所のファミレスだった。最初は「モーニング比較」くらいの軽い気持ちで出かけた。ところが、ふだん娘との会話がほとんどない夫が「今週末はどこ行く?」と言い出すようになる。娘と面と向かって座り、ごはんを食べる時間が嬉しいようだい。気づけば、毎週末の恒例行事になっていた。 探してみると、モーニングをやっている店は、思いのほかあちこちにある。週末モーニングを始めて、かれこれ2カ月近く経つが、いまだに同じ店に行ったことがない。なかなかの充実ぶりである。 「朝早くから、お客さんなんて来るの?」と思われるかもしれないが、これが意外と混んでいる。ある店では、満席で席を待つ羽目になったほどだ。 客層を見渡すと、比較的年齢の高いおひとり様が目立つ。あとは、家族連れ。若いカップルの姿は、あまり見かけない(きっと、まだ夢の中なのだろう)。

ファミレスのモーニングの何がいいかといえば、ドリンクバーがついてくることだ。朝ごはんを食べたあと、私は本を開く。夫と娘は、それぞれスマホをのぞき込むのが定番。 特別、会話が弾むわけではない。それでも、ひとつのテーブルを家族三人で囲むこと自体、いまの我が家では滅多にない出来事だ。言葉を交わさなくても、同じ空間にいる。ドリンクバーのおかわりを取りに、誰かが席を立つ。それだけのことが、我が家に残された、数少ないコミュニケーションの形になりつつある。 会話がなくても、家族は家族でいられるらしい。 そんなことを、休日の朝、2杯目のコーヒーを注ぎながら思っている。